
2025年12月6日・7日に、妊産婦等支援ネットワーク形成全国フォーラムを、現地およびオンラインのハイブリッド形式にて開催しました。
当日は、全国各地で妊産婦等支援に取り組む団体や関係機関の皆さまなど、約200名が参加し、分野や地域を越えて学び合い、交流する場となりました。
本フォーラムは、妊産婦等生活援助事業の目的や制度、実践現場への理解を深めるとともに、参加者同士の対話を通じて、多様な関係者・関係機関間のつながりを築くことを目的に、今年度初めて国の補助事業として位置づけられた取組です。
当日は、実践事例報告、パネルディスカッション、ケース検討セッション等の各分科会などを通じて、妊産婦等支援をめぐる現状や課題、今後の支援のあり方について、多角的な視点が共有されました。
アンケートの中から参加者の声を一部ご紹介させていただきます。
- 全国で同じ方向性で活動されている方々が沢山いらっしゃることに感銘を受け、勇気づけられました。10年後に、懐かしいねと思えるくらい、さまざまな支援や制度が充実しているように明日からも取り組んでいきたいと思いました。
- 今回のフォーラムに参加して、自分が今やっていること、考え方、方向性が間違っていないことを改めて感じた。それぞれの事業所が強みを生かして支援を行っていることがよくわかった。入居中の支援について「何もできなくていい。母と一緒にこどもが生まれてくるのを楽しみにするだけでもいい」という言葉がとても印象的で、文字通り「寄り添う」ことの大切さを感じた。恵まれた環境で育ってきた自分にとっては些細な事でも、大きな困難を経験した母にとってはとても温かい経験であること、それを支援者と共に積み上げていく事で、母自身が自分もこども大切にできるようになる。最後に山縣先生の言われた「あきらめない」を忘れず、私自身も希望を持って支援をしていきたいと思う。貴重な時間に参加させていただき、ありがとうございました。
- このような会を開催いただき、感謝いたします。各県で取り組みが始まっているかと存じますが、中々県内で妊産婦さんのニーズに合わせた仕組みを作る難しさも感じております。これまで活動されてきた方の経験を伺うことでの学びが大きかったです。行政と民間、医療、福祉、教育、多くの分野を横断的に動く方が必要であることと、関係する機関の支援者同士の対話もとても大事だと気づきました。未来からの視点で話すことの大切さも学びました。ありがとうございます。
こうした声から、今回のフォーラムが、参加者の皆さんがそれぞれの現場で支援に向き合っていくうえでの、ひとつの励みや後押しとなったのではないかと感じています。

登壇者である小さないのちのドア代表の永原郁子さん、主催であるピッコラーレ代表の中島かおりからのコメントも届いております。
<小さないのちのドア代表・永原郁子さんからのコメント>
12月6、7日と二日にわたって妊産婦等支援ネットワーク形成全国フォーラムを皆様と共に開催することができ、多くの示唆が与えられる機会となったことに感謝いたします。
開催の冒頭、こども家庭庁支援局の胡内様より、令和7年度4月1日時点で妊産婦等生活援助事業の実施か所数が33か所になったとお聞きしました。それぞれの団体は福祉に強い団体、医療に強い団体、母子に、乳児に…と得意分野は様々でありますが、「支援を必要としている妊産婦の命とお腹に宿った小さないのちを守りたい」という思いは同じです。
支援を必要とする妊産婦の現状は大変厳しく、背景も複雑であり、その上、系統だったマニュアルもなく、支援は困難を極めるがゆえに、医療の知識、福祉の知識など、様々な団体がつながったことは意味深いことであり、心強いことであると確認できたフォーラムではなかったかと思います。これからも一つに特化した職種に偏ることなく、様々な団体が知識を出しあいながら、特徴を生かしあいながら、つながりをもつことによって、ケアの質を担保しつつ、全国にこの事業が広がっていくことを願います。
また妊産婦等生活援助事業は次の時代の明暗にかかわる事業です。どんな理由であれ、おなかに命を宿した女性の尊厳を守ることによって次代を明るく希望に満ちたものとします。よって私たちの働きは命を守ることだけではなく、未来につながる事業であるといえます。このような大切な集まりが、来年、再来年、10年後、20年後と続いていくようにと願います。

<ピッコラーレ代表・中島かおりからのコメント>
妊娠期から繋がり暮らしを支える「妊産婦等生活援助事業」は、0か月0日児の虐待死を防ぐこと、そして何よりも出会った妊産婦とそのこどもが、生涯にわたり孤立せず、自分らしく生きていくための土台をつくる取り組みです。その実現には、一つの機関で完結しない、医療・福祉・行政・地域との継続的な連携が欠かせません。今回の出会いや対話が、現場で奮闘する私たち自身の力となり、支援の輪をさらに広げていくきっかけになることを願っています。今回のフォーラムにご参加くださったみなさま、準備に尽力くださった多くのみなさま、開催までの大きなお力添え、本当にありがとうございました。

今回のフォーラムは、妊産婦等支援に関わる多様な実践者が全国規模でつながり、学び合う貴重な機会となりました。
今後もこうした場を通じて知見や課題を共有しながら、支援ネットワークの構築と、妊産婦等が安心して暮らせる社会の実現につなげてまいります。
※本フォーラムは、特定妊婦等支援機関ネットワーク形成事業として、こども家庭庁から補助を受け、認定NPO法人ピッコラーレが実施いたしました。