調査・政策提言

 妊娠葛藤相談窓口から見える社会課題解決のために、研究者との共同研究、行政府のヒアリング協力、要望書提出、政策提言等を行っています。

 また、2021年4月にはこれまでの相談窓口に寄せられた声を集めた「妊娠葛藤白書」を発行いたします。

妊娠葛藤白書 にんしんSOS東京の現場から 2015〜2019
(2021年4月発行 税込3,960円)

妊娠葛藤白書バナー

本書は「にんしんSOS東京」の相談窓口に、2015年開設当初から2019年12月までに相談者から寄せられた2919件の相談をもとに、相談の傾向やそこから見えてくる背景の傾向を明らかにすることを目的に制作したものです。日頃、相談対応を担っている相談支援員が一つ一つのケースに向き合い、個人が特定されないようにデータを加工し、分析・執筆を行いました。

妊娠の状況を中心に、相談内容を「妊娠したかもしれない・避妊について」「思いがけない妊娠」、「中絶について」、「妊娠葛藤決断後」の相談と分類し、相談内容だけでなく、「相談者の抱える悩みや困難をより複雑にしているものは何か?」という視点から相談者の背景を見つめ、分析を行っています。

本書の作成を通し、「妊娠したかもしれない」と不安になったり、実際に妊娠に関する悩みを抱え、葛藤する人たちの相談という声に耳を傾けると、その裏にある日本社会の課題の片鱗が見えてきてきました。

セクシャル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツや性教育の不足、貧困、虐待、DVなど、妊娠葛藤が妊娠を抱える個人の問題だけでなく、多くの社会課題と繋がっていることを皆さんにもご理解いただけると思います。

これが今、日本の社会で実際に起きているとは信じられないかもしれません。
ぜひ本書をお手にとっていただき、「妊娠葛藤は誰にでも起こり得るもの」であり「これは社会の問題である」と、一人でも多くの皆さんに知っていただくきっかけになれば嬉しく思います。

【 目次 】

第1部 妊娠葛藤相談の現状

  1. 妊娠葛藤とは何か
  2. 妊娠葛藤と人権
  3. 妊娠葛藤と性教育・人権教育

第2部 妊娠葛藤相談の実態

第1章 にんしんSOS東京の相談窓口から
  1. 「にんしんSOS東京」の相談窓口体制
  2. 分析したデータについて
  3. 相談概要
第2章-1「妊娠したかもしれない・避妊について」の相談
  1. 相談内容の概要
  2. 「妊娠したかもしれない」相談
  3. 「避妊についてしりたい」
  4. 「妊娠したかもしれない・避妊について」の相談者の背景
第2章-2「思いがけない妊娠」の相談
  1. 相談内容の概要
  2. 「思いがけない妊娠」に関する相談内容の分析
  3. 「思いがけない妊娠」相談における特徴
第2章-3「中絶について」の相談
  1. 「中絶ができない」「病院を探せない」
  2. 「中絶施行前」の相談の年齢別分析
  3. 「不合意性交」「自責の念」「中絶予約キャンセル」
第2章-4「妊娠葛藤決断後の相談」
  1. 「妊娠葛藤決断後」の相談内容の分析
  2. 「妊娠期に関すること」
  3. 「中絶できなかった」
  4. 「養育に関すること」
  5. 「不合意の性行為」
第2章-5 同行支援
  1. 面談・同行支援とは
  2. 面談・同行支援実施実績
  3. 同行支援を行う背景
  4. 連携先について

第3部 若年層の妊娠葛藤

  1. 若年層からの相談概況
  2. 若年層からの相談の傾向
  3. 若年ハイリスク層
  4. 若年ハイリスク妊婦の抱える背景
  5. 若年ハイリスクと全体の背景の比較

研究協力

  • 「コンテクスト解析から見える10代の妊娠の背景」
    群馬大学と共同研究

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ピッコラーレは、一人でも多くの皆さんと一緒に、『「にんしん」をきっかけに、誰もが孤立することなく、
自由に幸せに生きることができる社会』の実現に向けて、歩んでいきたいと考えています。

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