11/17(日)に、ピッコラーレ5周年の集大成として、「誰も一人にしない~つながり続けるためにあなたとつくる『project HOME』~」を開催しました!

当日は約130名もの方々がご参加くださり、運営スタッフを含めると総勢160名を超えるにぎやかな会となりました。
継続的にピッコラーレを支えてくださる「ピコサポ」など寄付を通じてピッコラーレを応援してくださっている方、ピッコラーレの事業を支えてくださった助成団体の方、行政職員の方、性教育などを通じて地域活動をされている方、若年妊婦のための居場所「ぴさら」などの卒業生や普段は企業で働くプロボノの方、そしてピッコラーレで活動するスタッフなど、参加者の顔ぶれも幅広く、本当に多くの方から居場所事業「project HOME」が支えられ、一緒に頑張ってきたのだと改めて実感し、これから作っていきたい未来に思いをめぐらせる時間となりました。

また、本イベント開催に際し、素敵な会場をご提供くださり、運営にも多大なお力添えをいただきました富士通株式会社さま、当日の飲食のご支援・ボランティアスタッフとしてご参画くださったビザ・ワールドワイド・ジャパン株式会社さまに改めて御礼を申し上げます。

今回のイベントでは、会場全体でproject HOMEのこれまでのあゆみを振り返り、未来について一緒に対話しながら考えられるよう、代表中島とproject HOME協働団体であるNPO法人PIECES代表理事の斎典道さんとのトークセッションのほか、「ぴさら」に関する展示、出張型保健室「ピコの保健室」、若年女性のための出張相談会「ぴこカフェ」の体験ブースなどを設けました。

たくさんの「はじめまして」や久々の再会であふれた会場は、終始にぎやか!
それぞれの参加者が、自分の肩書きや役職からすこし離れて過ごす空間は、とても温かいものでした。
そんなイベント当日の様子を、前編・後編の2回に分けてお伝えします。

今回は、イベントレポート【前編】として、

  1. 「ぴさら」ポスター展示

  2. 「ピコの保健室」体験ブース

  3. 「ぴこカフェ」体験ブース

についてお届けしたいと思います。

今回のイベントでは、project HOMEの5年間のあゆみをじっくり振り返り、会場全体の活発な交流を深めるため、あえてフリータイムを多く設けました。
また、参加者の方々に、project HOMEをより身近に感じていただけるよう、それぞれの取り組みについて、ポスター展示や体験ブースを設置しました。さらに関連書籍の展示をしたり、自分の思う「HOME」とは何かを付箋に書き出してみたり、他の人が書いたものを見てみたり…
フリータイム中に一人ひとりの方法でproject HOMEの世界観を感じていただきました。

 

1)「ぴさら」ポスター展示

孤立する若年妊婦が、週数や出産や養育の希望の有無に関係なく滞在できる居場所「ぴさら」。
滞在中に、必要な社会資源につながりながら、じっくりと今後のことを考えたり、心身のケアを受けたり、生活していくために必要なスキルを身に付けたりすることができます。
妊婦向けに作られたわけではない既存の支援の枠に利用者が合わせるのではなく、権利の主体である利用者一人ひとりにフィットし、利用者のSRHR(Sexual and Reproductive Health and Rights;性と生殖に関する健康と権利)が尊重される支援を生み出していく…「ないならつくろう」と、「ぴさら」は、数々のご縁を経て始まりました。
現在は同様の取り組みをしている全国の団体と手を携え、共同勉強会を定期的に開催しています。

2024年度から改正児童福祉法に定められた「妊産婦等生活援助事業」が始まったこともあり、ますます注目されている「ぴさら」。2023年からは「ぴさら」を卒業し、地域で暮らす方へのアフターケア事業「ぴこさと」にも取り組み始めています。お食い初めなどの行事を一緒におこなうだけでなく、みんなでごはんを食べたり、こどもを遊ばせたり…実家に気まぐれに帰るような感覚で遊びに来られる場所であろうと、日々試行錯誤を重ねているところです。
展示では、「ぴさら」の誕生秘話や「ぴさら」での生活の様子、そして何よりも私たちが大事にしていること、そして実際に利用した方の声、そして「ぴこさと」の様子などを、より詳しく、たくさんの写真を交えてポスターにまとめご紹介しました。

展示では、現場で次々と生まれてくるニーズとともに日々変化していく「ぴさら」の様子をご紹介できたと思います。
参加者の方からは「感慨深い、そして言葉や写真で上手に歴史が可視化されていた」などとご感想をいただいており、大変好評でした!

 

2)「ピコの保健室」体験ブース

出張型保健室「ピコの保健室」は、性に関することや、からだ・心、家族・友だち、進路・就職のことなど、なんでも話せる場。
「ちょっと相談してみようかな」と思ったときに、相談しやすい関係を築けるよう、定期的に若者が集まる場に出張しています。

そんな「ピコの保健室」の体験ブースは終始大賑わい!
実際に「ピコの保健室」に携わっているスタッフによる、わかりやすく一緒に考えながら知識を得るためのクイズや実物のコンドームやイラストを用いた説明などを通じて、ピコの保健室を体験していただきました。

「十分な性教育があれば、妊娠葛藤が深刻にならずに済むかもしれない」「妊娠葛藤相談窓口を通じて直接若者とかかわっている私たちだからこそ、できる性教育があるのではないか」そんな思いから始まった「ピコの保健室」。
立ち上げ当初は事務所に「保健室」を構えてみたものの、相談者がなかなか来ず、「待っていても来ないなら出向こう」と出張型になった経緯も振り返りました。
参加された方からは、クイズを通じて「性のことをきちんと教えてもらったのは高校生以来」という声も!
若者たちの性の知識の現状や、「性の話ができる関係性づくり」などについて活発に質問もいただきました。
自身が受けた性教育の経験を振り返ったり、日ごろ活動するフィールドから見える性教育の現状について意見交換も活発に行われ、包括的性教育に発展していく未来を描きながら、一人ひとりが自分のフィールドでできること・やってみたいことを考える時間になりました。

 

3)「ぴこカフェ」体験ブース

「ぴこカフェ」は、性や人間関係のことなどを相談できる出張相談会です。「若年女性つながりサポート事業」として豊島区からピッコラーレが受託しています。10代~20代前半の女性を中心に、いろいろな方が利用しています。
性や人間関係の相談だけでなく、占いができたり、特に何も話さなくてもいられるなど、若年女性がふらっと立ち寄りやすい工夫がされている「ぴこカフェ」。さまざまな現場で支援をされている方を中心に、関心を持っていただけたようです。

イベントでは、性やパートナーシップなどに関するオススメの書籍や、実際のぴこカフェで展示や配付をしているナプキンやタンポンなど、よく知られた生理用品のほか、月経カップや吸水ショーツなど、最近登場した生理用品も展示!スタッフからは実際の使用感やそれぞれの特長、海外での使用事情などの説明がありました。

特に生理のことは身近に感じやすいためか、ウィンドウショッピング感覚で展示品を手に取る方や、説明を受ける方が多くみられました。

 

イベントレポート【後編】では、

  1. ピッコラーレ代表 中島×NPO法人PIECES代表理事 斎典道さんのトークセッション+10年後の未来に向けた会場全体でのディスカッション

  2. 「ぴさら」卒業生へのクリスマスプレゼント募金

についてお届けしています!