「孤立した若年妊婦が『ただいま』と言えるHOMEを。
一緒につくるマンスリーサポーター300人募集キャンペーン!」を開始


特定非営利活動法人ピッコラーレは、本日から2022年3月31日まで、「孤立した若年妊婦が『ただいま』と言えるHOMEを。一緒につくるマンスリーサポーター300人募集キャンペーン!」行います。

キャンペーンサイトURL:https://campaign.piccolare.org/202202/

ピッコラーレが運営する妊娠葛藤相談窓口「にんしんSOS東京」には、コロナ禍以前から、妊娠以外にもたくさんの葛藤や困難を抱えている10〜20代からの相談が多くありましたが、コロナ禍においては、10代の若年層や、生活困窮を抱えた妊婦からの相談が増加しました。その中には、その日の生活のことを考えるだけで精一杯で、妊娠のことを考える余裕がなく、すでに妊娠後期であったり、臨月に入ってからの相談もありました。妊娠の可能性があるにもかかわらず、安心できる居所がない、お金がなく病院を受診できない、母子健康手帳の交付を受けられないといった状態は、妊婦および胎児の双方にとって、大きなリスクです。その背景には、避妊・妊娠・出産・中絶に関する費用の自己負担といった社会制度の問題や、「相手に連絡がつかない」「親に話せるような関係性ではない」など、周囲に相談できる相手がおらず、社会から妊娠を自己責任とされ、孤立した立場に置かれている現状が存在しています。

ピッコラーレでは、そのような状況におかれた妊婦の不安や悩みに寄り添い、医療や行政機関への 同行支援などを通して、具体的な社会資源に繋げる活動を行ってきました。2015年12月の窓口開設以来、約6年間におけるこれまでの相談者は5,448 ⼈、相談の延べ対応件数は31,175件に上ります。(2021年12月末現在)

窓口の運営をしていく中で、困難を抱えた「若年妊婦」たちを医療や福祉の制度に繋ごうと行政の窓口へ行ったとき、「この子に使える資源はない」と言われたことがあります。このような、既存の制度の狭間に取り残されてしまうケースが少なくないことから、彼らに「いつでもおいで」と言える安心で安全な居場所をつくりたいと思い、構想を立ち上げたのが「project HOME」です。その第一号として「ぴさら」を豊島区に開設し、2020年6月より妊婦の受け入れをはじめました。

「project HOME」事業の運営を今後も安定的に行い、利用者の必要に合わせて事業をさらに拡充していくための仲間や資金を確保するため、ピッコラーレではこのたび、活動に共感し、継続的に支援してくれるマンスリーサポーター「ピコサポ」を300人募集するキャンペーンを3月31日まで実施します。

◆キャンペーンで実現したいこと◆

・「project HOME」を安定的に運営し、事業を拡充するための資金確保

「ぴさら」は、妊娠中から産後まで滞在できる安全な場所であり、妊婦に必要な身体や心のサポートを行いながら、その妊娠をどうしたいか本人の気持ちに寄り添い、自己決定の道のりを伴走します。ピッコラーレに繋がった妊婦には、一人ひとりそれぞれの選択を可能とするための資源や、他者との繋がりの中で、その後の人生をどう生きていくかを考えるための「時間」や「場所」が必要です。そしてそれを実現する居場所は、屋根があればいいわけではなく、安心できる関係性とケアこそが必要だと、これまでの活動を通して実感しています。「ぴさら」を核とする「project HOME」の運営には、年間約3,000万円の費用が必要です。これまでは、寄付者からの支援および複数の助成金などを受けて運営を続けてきましたが、2023年度以降は助成が徐々に終了する見込みであり、自力での運営がより求められています。そのため、現在約60名のマンスリーサポーターをまずは300名に拡大し、安定的な収入源確保の一歩にしたいと考えています。

また、project HOME第一号「ぴさら」には現在、利用できる部屋が2部屋あり、2020年6月から2022年1月までの間に宿泊で14人(延べ598泊)、日帰りで延べ43人の妊産婦の利用がありましたが、満室になることも多く、居場所を必要としている全ての妊婦の希望に応えられないこともあります。そのため、第二・第三の「ぴさら」の開設に向けて、さらに資金を調達したいと考えています。

・若年妊婦の孤立を生み出す社会的背景を周知する

妊娠葛藤相談窓口「にんしんSOS東京」に寄せられる「妊娠したかもしれない」「妊娠してしまったがどうしていいかわからない」といった相談の多くにおいて、相談者は、誰にも相談できず一人きりで思いがけない妊娠の不安と向き合っています。その背景には、妊娠は自己責任とする社会のまなざしや、性と生殖に関する健康と権利(SRHR)(※)が蔑ろにされている日本社会の構造的問題があります。

ピッコラーレでは、本キャンペーンを通じて若年妊婦の孤立を生み出す社会的背景を一人でも多くの人に知ってもらい、この課題解決に向けて活動を応援してくれる仲間の輪を広げたいと考えています。

※セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ。1994年にカイロで開かれた国際人口開発会議(ICPD)において提唱された「行動計画」の中にある概念。

◆オンライントークイベントのご案内◆

ピッコラーレが取り組んでいる社会課題について、より多くの人に知ってもらうきっかけとして、元厚生労働事務次官であり、一般社団法人若草プロジェクト代表呼びかけ人の村木厚子氏と、ピッコラーレ代表の中島かおりによるオンライントークイベントを開催します。

・日時:3月9日(水)20:00~21:30
・テーマ:孤立した若年女性たちのいま~彼女の権利はなぜ実現しないのか
・スピーカー :若草プロジェクト代表呼びかけ人 村木 厚子 氏
        ピッコラーレ代表        中島 かおり
・モデレーター:ライター               望月 優大 氏
・イベント詳細・お申込み:http://ptix.at/BIB5PP

※メディアの方は、上記URLよりお申込みいただくとともに、ピッコラーレ事務局(info@piccolare.org)まで必要事項(貴社名、ご氏名、電話番号、メールアドレス)をご連絡ください。

■ピッコラーレ代表 中島かおり コメント

妊娠葛藤相談窓口「にんしんSOS東京」には、毎日のように、妊娠にまつわる「困った」「どうしよう」の声が寄せられています。多くの相談に共通するのは、相談者が困りごとになってしまったその妊娠をたった一人きりで抱えているということです。相談できるパートナーや家族、必要な医療を受けられる経済力や適切な情報にたどり着くネットワークなどの社会資源が少ない人にとっては、妊娠がもう生きていけないと思うほどの大きな困りごとになってしまうことがあります。

安心して過ごせる居所のない妊婦のための居場所「ぴさら」では、そうした妊婦が安心・安全を感じられる環境の中で自分自身を取り戻し、その妊娠をどうしていきたいのか自己決定できるよう伴走することを大切にしています。ピッコラーレが運営する妊娠葛藤相談窓口経由のみならず、児童相談所、保健センターなどの公的機関や他の民間支援団体からの問い合わせが利用に繋がったケースも多くあり、このような居場所が社会に必要とされていることを改めて強く感じています。

私たちが叶えたいのは、全ての妊婦たちが、どのような選択をしたとしても、「ここにいていいのだ」と思える場所が社会の中にあること。誰からも自分の決断を否定されず、全ての妊婦が安心できる場所にたどり着くことができ、「生きていていいのだ」そう思える社会、それは、「自分の身体のことは自分で決めていい」という、性と生殖の健康と権利(SRHR)が尊重される社会です。

今回のキャンペーンを通じて、「『にんしん』をきっかけに、誰もが孤立することなく、自由に幸せに生きていける社会」の実現を目指して、活動を応援してくれる仲間と一人でも多く出会えることを願っています。

<お問い合わせ窓口>
特定非営利活動法人ピッコラーレ事務局 https://piccolare.org/
E-MAIL:info@piccolare.org