「女性支援新法制定を促進する会」(会長 戒能民江)が中心となって企画した「女性支援のための新法制定に向けた超党派勉強会」(2022年1月12日 衆議院第一議員会館地下1階 大会議室にて開催)に、ピッコラーレも民間の有志団体として参加し要望に関する発言をしました。

当日の様子は、以下メディア記事等でご確認いただけますので、ぜひご覧ください。


<ピッコラーレの主な発言内容>

ピッコラーレは、産む、産まない、育てる、育てないに関わらず、「にんしん」をきっかけに、誰もが孤立することなく、自由に幸せにいきていける社会の実現を目指して、妊娠葛藤相談窓口「にんしんSOS東京」(365日年中無休)および、安心して過ごすことのできる居所のない妊産婦のための居場所「ぴさら」(宿泊可)を運営しています。

私たちは妊娠で葛藤する人たちの声を聞き、彼らに必要な支援に繋ぐことを行ってきました。
しかし、相談者と一緒に窓口に行った時、「この子に使える支援は何もない」といわれてしまう経験を何度もしています。

妊娠は相手があることにも関わらず、女性のみを取り締まり保護更生するという、性差別が含まれた法律である売春防止法を根拠に置いた制度では、私たちの窓口につながった相談者のサポートを十分に行うことができないということを現場で日々感じています。

新しい法律では、性による差別の禁止を明記し、「生と生殖の健康と権利」を盛り込んでください。
本来「生と生殖の健康と権利」(SRHR)は全てのジェンダーに関わることですが、この概念を包括するものは日本の法律の中に見当たりません。ぜひ女性支援新法に明記するところからはじめて欲しいと思います。

また、私たちが2020年6月より受け入れを開始した妊婦のための居場所「ぴさら」では、これまで主に15歳から20代前半の居所がない若年妊婦の利用がありました。現在も行政から利用の問い合わせが続いている状態です。

利用者のある子は、「ここに来て誰にも邪魔されず安心して朝まで眠ることができるようになった」と言っていました。ここに辿り着いた後、産むか産まないかの大きな葛藤の中、中絶、出産、また自分で育てる、養子縁組に出すなど、一人ひとりが様々な選択をし、他者との繋がりの中で、その後の人生をどう生きていくかを考えるための「時間」と「場所」が必要です。

居場所には屋根があればいいわけではなく、その場所には安心できる関係性とケアが必要です。
多様な背景とニーズに対応でき、「困っている」という声に対して、「何もない」ではなく、「もう大丈夫」と言えて、そして孤立している相談者が「生きていていいのだ」、そう思える法律を作ってください。