Safe Abortion Japan Project(代表 産婦人科医 遠見才希子)安全な中絶・流産の選択肢を増やすこと」を求める要望書を2021年12月14日厚生労働省に提出し、同日記者会見を行いました。ピッコラーレも賛同団体として要望書の提出および記者会見に同席しました。

当日の様子は、以下メディア記事等でご確認いただけますので、ぜひご覧ください。

中絶のためにバイトでお金を…。日本の「懲罰的」な現実、産婦人科医たちが国に求める5つのこと(BuzzFeed News Reporter, Japan)


ピッコラーレでは、産む、産まない、育てる、育てないに関わらず「にんしん」をきっかけに、誰もが孤立することなく、自由に幸せにいきていける社会の実現を目指して、妊娠葛藤相談窓口「にんしんSOS東京」を365日年中無休で運営しています。

「にんしんSOS東京」には、窓口開設(2015年12月)以来たくさんの妊娠にまつわる「こまった」「どうしよう」の声が寄せられ、相談者数は6,644人・延べ相談回数は28,063回にのぼります。(2021年10月末現在)

<中絶に関する相談概要>

ピッコラーレでは、2015年12月〜2019年12月31日までに「にんしんSOS東京」の窓口に寄せられた2,919人の相談記録をピッコラーレの相談支援員たちが集計・分析を行い、妊娠葛藤白書を発行(2021年4月)しました。

この期間において、中絶に関する相談は217件(7%)、年齢は若年者に限らず、10代から40代まで幅広い年代から相談が入っています。(ピッコラーレ (2021) 妊娠葛藤白書  p.90 )

●実際の相談事例より
・「中絶するのにお金がいくらかかりますか」「中絶したいがお金がない」「お金が用意できず、中絶できる期間を過ぎてしまったがどうしたらよいか」
・「中絶を受け入れてくれる病院が探せない」
・「妊娠をしたと言ったら、パートナーが逃げてしまった」
・「パートナーからの性的DVがあり、妊娠したくなかったのに、妊娠してしまった」
・「中絶手術を受けたが、その後体調が悪い。病院に連絡したくても夜間で連絡がとれない」など

●中絶後の相談窓口について
さまざまな背景や理由で中絶を選択した女性たち。術後に身体の不調をきたしたり、つぎつぎと湧いてくる気持ちを誰にも相談できず 、苦しんでいる状況が 、寄せられた相談の中から見えてきました。そんな女性たちの思いや気持ちをきちんと受け止め向き合う場の必要性を感じ、中絶後の相談に特化した窓口を2020年2月より開設、相談をお受けしています。

<最後に>
これまで6,000人以上の方からの妊娠葛藤の声をお聞きして見えてきたことは、妊娠して葛藤することは決して珍しくないという現実です。そしてその背景には、「性と生殖に関する健康と権利」が蔑ろにされている日本の現状があるということ。この現状を改善するためにも「安全な中絶・流産の選択肢を増やすこと」は必要不可欠であると考え、ピッコラーレはSafe Abortion Projectの本要望書に賛同します。